大会長挨拶

Koichi MORI
会場の国リハ学院を背景に

 

日本吃音・流暢性障害学会の第4回大会が2016年9月2日(金)・3日(土)の2日間の日程で、埼玉県所沢市の国立障害者リハビリテーションセンターで開催されます。また、翌日の9月4日(日)には同じ会場でポストコングレスセミナー(講習会)も予定しています。

国立障害者リハビリテーションセンターは、その前身である国立聴力言語障害センター附属聴能言語専門職員養成所(昭和46年開設)以来、一貫して吃音の治療に携わる専門家の養成と治療に関わってきました。このたび、この分野の全国的な発展に寄与することができる機会として、第4回大会を、国立障害者リハビリテーションセンターが担当し開催させて頂く事を大変光栄に存じます。

大会のテーマは、「吃音臨床のパラダイムシフト」です。吃音の治療は永らく吃音緩和法と流暢性形成法、それらを統合したアプローチが中心に行われて来ました。しかし多くの限界が指摘され、批判もあります。2000年前後から心理面にも十分な配慮を加えた包括的アプローチや、さらには心理面を中心に据えたアプローチも広く行われるようになって来ました。この大会のテーマはこのような現状を踏まえて、今後どのような方向に向かうのか、いろいろな方面から話題を提供し、会員諸氏と共通認識を形成できればと考えています。

今回の大会では、海外研究者の招待講演で吃音の原因に迫る脳研究の最先端を聞くことができます。第一線の臨床家の方々への最新情報の提供と当事者の方々とのより良い連携を目指して、シンポジウムを2本用意しました。また、比較的最近吃音に関わるようになった方々や当事者の方々もレベルアップを図れるよう、最新の知見も踏まえた入門的・実践的セミナー(ハンズオン・セミナー)を、今大会から本格的に開始します。一般演題は例年通りに分野の制限なく募集しますが、今回の大会テーマに沿った演題がありましたら歓迎します。ポストコングレスセミナーは2つの企画があります。また、9月2日(金)の夕刻には会員懇親会も予定しております。これらにより、参加されるすべての人々に役立ち、研鑽を積むことができ、多分野の方々の連携の機会となる大会になることを目指しております。

大会成功のためには、会員の皆様方の活発なご参加が不可欠です。運営委員会一同、大会を良いものにするために鋭意準備中ですが、ご意見やご要望がありましたら遠慮なくお知らせ下さい。

演題募集は5月9日(月)〜6月20日(月)です。事前登録やその他のプログラムについても、決まり次第お知らせします。

第4回大会長 森 浩一 (日本吃音・流暢性障害学会理事)

国立障害者リハビリテーションセンター

2015-07-24 (2016-3-5更新)